とうあんだより

― 器のはなし ―

京都の伝統工芸品である京焼・清水焼の特色はさまざまな種類の焼き物をやいていることです。

陶葊でも独自の鮮やかな色絵付けの作品のほかにも、染付・天目・青磁などのさまざまな器を手がけております。とうあんだよりでは、そのさまざまな作品をお紹介いたします。

器を通して、美しい絵付け、職人の手仕事はもちろんのこと、店頭で見ることのできなかった器や、その器にまつわるエピソードと一緒に是非お楽しみいただければと思います。

1月の器

再現された洛中洛外図屏風
1月の器 画像1

■ 仕様:陶板(左右合計48枚)

■ 絵付け:洛中洛外図(上杉本)

■ サイズ:3520×1600mm(×2)

 

1月の器 画像2A

右隻

1月の器 画像2B

左隻

 

制作日数は7年

昨年最後のとうあんだよりで紹介しました洛中洛外図の器。本年最初に紹介させていただきますのも洛中洛外図です。

 

京都の山科、清水焼団地内に在りますギャラリー洛中洛外。2階壁面には陶板の洛中洛外図が展示されています。ギャラリーよりご依頼を受け、とうあんが制作を担当したコラボレーションから生まれた大作なのです。

 

洛中洛外図陶板は、上杉本と同サイズで制作するために左右各隻24枚、合計48枚の陶板で構成、再現されています。薄さ約2mmという繊細さと強度を兼ね備えた陶板制作に2年かかり、総制作には7年の月日が費やされました。

 

1月の器 画像3
元旦の宴

洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)は室町時代から江戸時代にかけて描かれた風俗画で、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)を俯瞰して描いたものを指します。上杉本は、上杉家の什物目録等より天正2年(1574年)に織田信長が狩野永徳に描かせ上杉謙信に贈った品だと言われています。

 

画面内に描写されている人数は総勢2.485人。その中の紫辰殿では正月節会という元旦の宴が描かれている場所が有ります。(右隻:左中央)紫辰殿は天皇の即位、朝賀などの儀式や節会、公事を行う御殿で前庭には左近の桜と右近の橘があることでも有名な場所です。

 

1月の器 画像4
京都の名所と風情

洛中洛外図は京都の名所、武家屋敷、四季の風物や行事、祇園祭の山鉾などが描かれています。数々の見所の中から少しだけ紹介させていただきます。

 

1:長刀鉾(右隻/左)

「くじとらず」として毎年必ず山鉾巡行の先頭を行く鉾で、現在,生稚児が乗る唯一の鉾です。

2:細川殿(左隻/中央)

こだわりの庭園造りで名高い細川家。繁栄の様子が描かれています。

3:足利将軍邸(左隻/中央下)

通称「花の御所」。室町通に正門があることから室町殿、北小路室町にあることから北小路亭とも呼ばれています。

4:鶏鉾(右隻/中央)

訴訟を求める太鼓に苔が生えて鶏の巣となった故事から命名された鉾です。見送は重要文化財。

 

ひとりひとりの表情やしぐさ、細部に至るまで見事に再現された職人の手仕事による絵付け、眩いばかりの雲を彩る金の打ち付け。京焼の技術と共に迫力ある画面をお楽しみいただけると思います。

 

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1月の器 画像5

ギャラリー洛中洛外

607-8323 京都市山科区川田南ノ西町1-4(清水焼団地内)

075-595-5450

10:00~17:00(年中無休)

http://www.rakuchu-rakugai.jp/

 

*洛中洛外図陶板は無料でご覧いただけます。

 

 

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