とうあんだより

― 器のはなし ―

京都の伝統工芸品である京焼・清水焼の特色はさまざまな種類の焼き物をやいていることです。

陶葊でも独自の鮮やかな色絵付けの作品のほかにも、染付・天目・青磁などのさまざまな器を手がけております。とうあんだよりでは、そのさまざまな作品をお紹介いたします。

器を通して、美しい絵付け、職人の手仕事はもちろんのこと、店頭で見ることのできなかった器や、その器にまつわるエピソードと一緒に是非お楽しみいただければと思います。

8月の器

瀬戸美濃窯の黄と黒の器
8月の器 画像1

■ 黄瀬戸(きせと)

・大鉢(絵付け:水引 ¥20.000.-税別)

・小鉢(絵付け:すすき・竹・水引・鉄線・柘榴 ¥5.000.-税別)

 

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黄瀬戸の歴史

今月の器は黄瀬戸(きせと・きぜと)です。

 

室町時代からの朽葉色の古瀬戸の流れを汲む焼き物です。美濃各地の窯で作られましたが、原料、窯、焼き方の違いで桃山時代独特の物が作られ、桃山時代の黄瀬戸には、鎌倉時代、室町時代、江戸時代以降のものと違う趣があると言われています。

 

黄瀬戸の配色は、灰釉の黄色を基調として、鉄の茶色、タンパンの緑(銅呈色による緑の斑文)で彩られているのが特徴的です。

 

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食器の黄色

黄瀬戸は食器が多く見られます。

 

黄瀬戸の出現以前の瀬戸美濃窯では、舶載の磁器の写した食器が作られていたのですが、職人の手により全く新しい器種の食器類が生み出されます。底が広く、側面が垂直に立ち上がる鉦鉢形の器。銅鑼鉢、蓋物、平鉢、向付といった食器の誕生となるのです。

 

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茶碗の黒

ほぼ同時期に作られた瀬戸黒(せとぐろ)は、黄瀬戸とは対照的に茶碗(茶器)のみであったのも興味深いところであります。

 

瀬戸黒は、天正時代(安土桃山時代)に初めて作られたことから天正黒と呼ばれることもあり、真っ赤な状態で窯から引き出すので引出黒と呼ばれることもあります。引き出した時にできる鋏の痕跡が茶碗の趣を作ることになります。

 

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油揚げと柚子

黄瀬戸と瀬戸黒の器の表面は食べ物に例えられています。

 

黄瀬戸は、黄色と細かい突起物によるじわりとした質感よりあぶらげ手(油揚げ)と呼ばれ、瀬戸黒は、細かい気泡の穴が柑橘系の皮の表面を連想させることから柚子肌(ゆずはだ)と呼ばれています。

 

 

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