とうあんだより

― 器のはなし ―

京都の伝統工芸品である京焼・清水焼の特色はさまざまな種類の焼き物をやいていることです。

陶葊でも独自の鮮やかな色絵付けの作品のほかにも、染付・天目・青磁などのさまざまな器を手がけております。とうあんだよりでは、そのさまざまな作品をお紹介いたします。

器を通して、美しい絵付け、職人の手仕事はもちろんのこと、店頭で見ることのできなかった器や、その器にまつわるエピソードと一緒に是非お楽しみいただければと思います。

9月の器

赤い斑点のある器
9月の器 画像1

■ 御本手(ごほんで)

・湯呑茶碗(¥4.000.-税別)

・抹茶茶碗(参考商品)

 

9月の器 画像2
赤い斑点状の模様

今月の器は御本手(ごほんで)です。

 

由来は安土桃山時代にまで遡ります。当時の茶人が朝鮮に注文した茶碗に偶然赤い斑点が出ており、その注文書(御本)にちなんで赤い斑点のある器を御本手と呼ぶようになりました。

 

斑点も名称にも色々あり、鹿の背中の模様に似ていることから「鹿背(かせ)」と呼ばれることもあります。宇治の朝日焼や萩焼にも、この特徴が多く見られます。

 

9月の器 画像3
御本手いろいろ

御本手と呼ばれる赤い斑点状の模様は様々に変化します。土の成分と焼き方によって異なるのですが、いくつかご紹介しましょう。

 

1:茶碗の内底に大きな円状の御本手がひとつ。

2:とても細かく粒のような御本手がたくさん。

3:淡く趣きのある小さな御本手。

4:はっきりとした濃淡が魅力的な御本手。

 

9月の器 画像4
同時期の焼き物

上記の画像には御本手と同時期に朝鮮で焼かれた焼き物が並んでいます。

 

右側の菓子鉢は刷毛目(はけめ)。文字通り、白絵土を刷毛で一筆に器に塗ったものを言います。勢いがあり、刷毛の動きがそのまま現れているものが良しとされ、朝鮮の原料が最も適していると言われています。

 

左側の急須は伊羅保(いらぼ)。表面にロクロ目の跡が際立ち、土中の小石が火にはぜて釉薬が荒れ、手ざわりがイライラしたというのが由来だと言われています。

 

御本手、刷毛目、伊羅保。同時期に生まれた焼き物とはいえ、どれも個々を主張する個性的な表情を持っています。

 

 

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