とうあんだより

― 器のはなし ―

京都の伝統工芸品である京焼・清水焼の特色はさまざまな種類の焼き物をやいていることです。

陶葊でも独自の鮮やかな色絵付けの作品のほかにも、染付・天目・青磁などのさまざまな器を手がけております。とうあんだよりでは、そのさまざまな作品をお紹介いたします。

器を通して、美しい絵付け、職人の手仕事はもちろんのこと、店頭で見ることのできなかった器や、その器にまつわるエピソードと一緒に是非お楽しみいただければと思います。

6月の器

2つの顔を持つ花瓶
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■ 銘:花絵花瓶

■ 種類:花器

■ 絵付:カラー

■ サイズ:高370mm / 径(口)120mm / 径(胴)200mm

■ 価格:参考商品

 

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2つの顔を持つ理由

正面と背面では描かれているカラーの数が異なります。

その理由は、どちらも正面としてご使用いただきたいという作り手の願いが隠っているのです。

 

器としてそのまま飾られる場合は、存在感のある無数のカラーが描かれている側を正面に。

花瓶として花を活けられる場合は、主役を際立たせる緑の背景を正面に。

 

使い方によって表情を変える、まさに“2つの顔を持つ花瓶”なのです。

 

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爽やかな絵付け

今回の絵付けは「カラー」

6月1日の誕生花としても知られています。

 

江戸末期にオランダより渡来した花で、すり鉢状の形がシャツの襟(カラー)に似ているところから名付けられたと言われています。

花言葉のように「夢のように美しい」というイメージがぴったりの爽やかな花です。

 

とうあんの職人により、繊細に、そして大胆に絵付けされたカラーが、初夏の装いを彩っています。

 

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輸出するための形

花瓶の形に注目して見て下さい。

個性的な形をしていることに気付かれると思います。

 

これは、江戸時代以前にはあまり見られなかった形で、明治から大正にかけヨーロッパに輸出する為に作られた形だと言われています。

 

日本では、花を飾る習慣は平安時代よりあったと言われていますが、生活の中にある既存の器を使用していた為に、後に花器が製作されるようになってからも食器に近い形が多く作られたそうです。

 

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